キミの機嫌の良い時はボクの機嫌は悪くて。

ボクの機嫌の良い時はキミの機嫌が悪い。


そんな関係がオモシロイ。








「ホラホラ、早く言わないと。約束ダヨ?」

ネ?と促せば、キミは酷く不機嫌そうにわかってるよと喚く。
うん。凄く怒ってるネ。
でも、仕方ナイじゃない?


そもそもの始まりは、キミが最近凝りだしたチェス。
気の進まないボクを無理矢理付き合わせて、
機嫌良く始めたのはキミ。

このままだとツマラナイと賭を申し出たのはボク。


勝者は一つだけ敗者に命令出来る。


なんて、実に安直で実にお手軽デショ?
初めは負けねぇからなと笑っていた癖に、
進んで行くゲームに其れは目に見えて也を潜め。
ゲームが終わる頃にはキミは頬を膨らませていた。

反対にボクは上機嫌。
結果は当然ボクの勝ち。

ふふっと小さく笑って伝えたボクの命令に、
キミは少し驚いて。
すぐに怒った様にそっぽを向いた。


そして今に至るんだケド。
往生際が悪いネ。

「・・・・ねぇ、マダ?」
「うっせぇ!!」

クスクスと笑って促せば。
キミは苛立たしげに怒鳴る。

『愛してる』って言うくらい簡単デショ?
むしろそれ位の命令で済ませたボクに感謝して欲しいくらいだネ。

そう言ったらキミは益々イヤそうな顔でボクを見た。
ナニ?って聞けば、返されるのは小さなイヤミ。


「・・・・・変態。」
「すごーく心外なんだケド?」
「んじゃサド。」
「失礼だねぇ、優しくしてるデショ?」

キミ限定だけどと付け加えれば、
真っ赤になったキミは悪趣味と呟いた。

本当に可愛くない口ダネ。

「まぁ悪趣味なのは否定しないけどネ。」
「・・・・・それはそれでムカツク。」


その言葉にまたボクは笑う。

キミがそうやって不貞腐れて不機嫌になって。
それでもボクの傍に居る事が、
本当に楽しいカラ。
ボクの機嫌は良くなる一方。

ソレを伝えたら益々不機嫌になるだろうか?
そんな事を考えていたら。
思い切り頬を抓られた。


「・・・・・・痛いんだケド?」
「その勝ち誇った顔がムカツク。」
「チェスに勝ったのはボクなんだから。
勝ち誇るのは当たり前でショ。」
「そっちじゃねぇよ。
言ってるのは別の意味。」


どういう意味サとボクが問えば、キミは嫌そうに眉を顰める。


「俺が絶対言えないと思ってんのがムカツクんだよ。」
「言えないクセに。」
「・・・・・・・。」


無言はカレが本気で怒り始めてる証拠。
そのクセ頬を抓る手は益々力が篭っていて。

あぁまったく、イヤになるネ。
折角楽しかったと言うのに、
そんな気分は何処かに霧散したじゃないか。


ふぅと大袈裟に溜息を尽いて。
ボクは仕方ナイと口を開いた。


「わかったヨ、別の命令を考えるヨ。
だから手を離してくれないカナ?」


そう言ったら、キミの手は漸く頬を放して。
ボクの代わりに笑みを浮かべる。

本当にサ、イヤだよね。
キミが笑ってるなら、
ボクの気分が台無しになっても、
まぁイイカって。
そう思えてしまう事が何よりイヤだよ。



キミの機嫌の良い時はボクの機嫌は悪くて。

ボクの機嫌の良い時はキミの機嫌が悪い。

それが僕らの関係。


「キル。」
「ナニ?」

でも、時々重なる瞬間がある。


「大キライだぜ?」
「・・・・笑顔で言うんじゃナイヨ。」


ほら。
今みたいに。
満面の笑みでキライと笑うキミ。
そんなキミにボクも上機嫌に笑った。

「ボクも大嫌いダヨ。」
「知ってるさ。」



稀に重なるその瞬間が。
ボク等は一番機嫌が良い。


END


た・・・・・大変遅くなりました・・・・・(泣)
10000hitのリクエストは羽織部様より『お互い振り回されてると思い込んでいるキルポプ』でございます。

・・・・・振り回されてるのはキルだけの様な気も致しますが;;

羽織部様!
遅くなってしまい本当に申し訳ありません;
こんなので宜しければどうぞお持ち帰りください!

毎回の事ですが返品可です!!!


素敵なリクエストありがとうございましたwww





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