ねぇ。君は何時まで輝いていられる?
ボクは輝く君が好きなんだ。
死神のキモチ
久しぶりだネ。
そう笑えば、君は別段驚いた様子もなくボクを睨んだ。
あぁ。やっぱり君はボクが死んだなんて思ってなかったんだネ?
そうやって睨んでくれる眼は5年前と変わらない。
その事がスゴク嬉しいヨ。
「・・・・大丈夫。今は敵じゃないヨ?今はネ?」
おどけながらそう言っても、君は全く警戒心を解かない。
でも、目は口ほどにものを言うって本当だネ。
無言で睨むその表情。
何しに来た?って言いたいんでしょ?
「だからさ、今は敵じゃないってば。今の君とは戦えないヨ。」
だって、喋れない君にはボクを倒せないでしょ?
そう言ったら君は眼を見開いてボクを見る。
うん。驚いた顔もイイネ。
込み上げる満足感にボクは上機嫌に笑った。
君はバカだよ。
人間なんか何時だって自分勝手なのに。
勇者が地上に居ない今。
この地上で一番強いのは君だって最初に言い出したのは誰だったカナ?
君を手に入れる事、
それは即ち地上で最強の力を保持する事。
誰かがそう言い出した時、世界のバランスに亀裂が入った。
本当にバカだよねぇ。
そんなの君の意思じゃないのに。
危ういバランスに巻き込まれそうになって。
自分を犠牲にするなんて。
自分の声を潰してまで。
勇者が守った世界を守りたかった?
「元に戻りたいって思わないの?」
君は英雄だったのに。
こんな誰も知らないような山奥に。
誰にも知らせずにひっそり住んで。
声を捨てて。
安息を捨てて。
そこまでして守る価値はあるの?
警戒心を解かないまま君は首を横に振る。
今のままでいい。
そう言いたいんだネ。
たった一人の親友がいつか戻った時、
平和な世界を見て欲しいから。
でも、ネ。
君はまだまだ甘いヨ。
神様は君が思うほど優しくないんだって知らないダロ?
最後の竜の騎士。
そんな大切な兵器を人間にあげるほど神様は優しくない。
声まで失くした君を簡単に絶望に落とすくらい、
神様は残酷なんだ。
「君の親友は天界に封印されてるヨ。
地上に、天界に。再び危機が訪れるまで、
君の親友は眠り続ける。
神様にとって彼は大事な大事な最後の兵器だからネ。」
ギリリと君の唇が噛締められる。
その顔は凄く悔しそうで、
辛そうで。
眼の奥に篭められた光は、
親友を奪った怒りが燈されてる。
あぁ。イイネ。
ボクはその眼が大好きだよ。
「・・・声を取り戻したくない?」
静かに囁けば、はっと君は顔を上げた。
「神に逆らった大逆の罪を背負う覚悟があるかい?
世界で最高の大罪人になる覚悟はあるかい?」
あるのなら。
ボクと天界に行こう。
魔族に天界の門は開けない。
だからボクには君の力が必要なんだ。
長い沈黙。
でも答えはとっくに分かってる。
だって君の親友を取り戻すのに他に方法はないからネ。
やがて決意を秘めた眼をボクに向ける。
声を失っても決して変わらないその眼の力強さに、
ゾクゾクと肌が粟立つ。
「OK。契約成立だネ。
ボクは君の声を戻してアゲル。
君が親友を取り戻すまで、君を守るよ。
代わりに、君は天界の門を開く。
それで後悔しないネ?」
こくりと頷く君にボクは口付ける。
閉じられない眼。
輝きを失くさない眼。
一瞬でも、
閃光の様に。
かつての君の言葉を思い出してボクはこっそり微笑んだ。
君の甘い唇を感受しながら。
あぁ、イイネ。
ボクは君のその眼が好きなんだ-------------
END
拍手お礼ssの10本目はキルポップです。
・・・・・・・記念すべき10本目にキルポップってどうよ自分?
しかもssと言うには微妙に長い。
こんなの全然お礼じゃないジャン!って言われても反論できない罠。
だって書きたかったんですYO!
つーか、書けって言われたんですよぅ!!!
友人Kに!!!!(こっそり罪を擦り付けてみる/笑)
あはははははは・・・・・。
何か色々駄目っすね!自分・・・・゚・(ノД`;)・゚・
まぁこれも仕様と言う事でw
いつもながら書いてる奴だけ楽しいssで申し訳ないです。
拍手ありがとうございました!(礼)
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