ただ逢いたい。
アンタに逢いたいだけ。




Since it wishes he wants to meet


「俺、もう行くわ。」


久々にふらりと立ち寄ったパプニカで、
紅茶を呑み終えれば、そう言って俺は立ちあがった。
ええ、もう行くの?とか呟く、不満そうなダイに少し苦笑を返して。


お前ね?
大魔王を倒した伝説の勇者様とか。
見事に復興を成し遂げたパプニカの若き国王様とか。
そんな風に呼ばれてんだから、その情けない顔やめろよ。
そんなんじゃ姫さんに愛想尽かされるぞ?


昔とちっとも変わらない親友にそう言えば、
ダイは関係ないじゃんと不貞腐れる。

その姿は確かに昔と変わらなくて、
やっぱり俺は苦く笑うしかない。


そう、もう昔と呼ばれるくらい時間が経った。
10年の月日はどれだけ否定しても人を変える。

ヒュンケルとマァム。
ダイとレオナ。
彼等はそれぞれに結婚し家庭もある。

その中で、変わらないのは俺だけ。

姿は確かに成長したけれど。
心だけが動けない。
あの時から。



わかってるんだ。
前に進まなきゃいけない事くらい。

それでも、

進めないんだ。

アンタに逢いたくて。
ただ。
逢いたくて。



嫌な奴だった。
卑怯で傲慢で、尊敬してる先生を殺そうとして。

それなのに。

最後の最後で
改心しやがって。


俺の心まで持って逝きやがって。





「ポップはさ、まだ探すの?」


気遣う様に掛けられた言葉にそっちを向けば、
テーブルを挟んで見える曖昧な表情のダイ。

諦めないの?と聞かないお前が好きだよ。
諦める事なんで出来るわけないって知ってるんだろ?
だから、


「俺は諦めが悪いからな。」


そう言ってトベルーラを唱えた俺は窓から身を投げた。







「さぁて、何処へ行こうか・・・・」


地上はもう探し尽くした。
それこそ行けない場所はないと豪語出来るくらいに。


「もう一度だけあそこに行くか。」


アンタが消えたあの場所へ。
死の大地へ。

それでいなけりゃ魔界に行こう。
魔界がダメなら天界へ。


だって可能性が少しでもあるなら。
諦めるのは可笑しいだろう?

最後まで諦めるなとあの時教えたのは、
他の誰でもない、
アンタなんだから。


「ハドラー、アンタに逢いたいよ。」


アンタを見付けたら、
恨み言と。
そんで今度こそ、
アンタは仲間だって言わせて。


それから、
逢いたかったんだって。
伝えさせてくれ。

他の誰でもない。


アンタに逢いたかったんだって。


END




・・・・・・・・またやっちまいましたorz
どんだけマイナーに突っ走れば気が済むんでしょうね、姫宮は(全くだ)

でもでも!!
ハドラー様っていい男じゃないですか!!!!
しかもあれっすよ、最後の言葉はポップに向けてるじゃないですか!!!

そりゃポップも惚れるわなと思ったりw(勘違いも甚だしい)

続くかはわかりませんが、もし続けるなら私の所にしては珍しく
ポップがひたすらに惚れてるんだろうなぁ。
誘い受なんて珍しい事です(笑)

んでまぁ最後になりますが、そして以前にも似たようなこと書きましたが。

記念すべき30本目に今度はハドラー×ポップかよ・・・・・・・

もうきっと普通のCPじゃ満足できないな(笑)


と言う訳で。
皆様、拍手ありがとうございました!!!
そして違うお相手期待していましたら申し訳ありません!(土下座)

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