「・・・・・・・・・うっわぁ、ドジ。」

自分を見るなり返って来たその言葉は、
全く予想通りで。
うるさいと喚きながらポップは自分よりも
遥かに高い目線で笑うキルを睨み付けた。
その仕草にキルがゴメンネ。と口先だけの言葉を乗せるけれど、
全く心が篭っていないのがまた腹立たしい。

「ジロジロ見るんじゃねぇ!!」

精一杯の虚勢を張って叫ぶ、ポップの姿は子供そのもので。
10歳前後まで若返ったその姿に死神は満面の笑みを浮かべ
言い放った。

「物珍しいモノは見ちゃうのが当たり前デショ?
それとも君は珍しいモノ見付けても素通りする?
普通見ちゃうヨネ?
だって君って、好奇心旺盛だしサ。」

態々しゃがみ込み、必要以上に饒舌に言葉を紡ぎ揶揄するキルに
ポップは小さく唸る。

唱えたのは肉体内の細胞を活性化させるはずの呪文。
細胞だけを若返らせるはずだったその呪文に失敗し、
子供へと戻るなんて自分でも思わなかった。

頭すら撫でて子供扱いするキルの手を邪険に振り払い、
触るなと睨めば、やれやれと言った風にキルは肩を竦めてみせた。
厭味な位の笑顔に益々顔を顰めるけれど、
別段それを気にした様子もない彼の姿に、
足でも蹴っ飛ばしてやろうかと構えた時。
それにしてもと声が掛かりポップは訝しげに視線を合わせる。

「君さ、どうやって元に戻るの?」

その呪文を唱えるのにどれくらい魔力使ったか知らないケドさ。
その姿じゃ魔力足りないんじゃない?

その言葉にぴたりとポップの動きが止まる。
言われて初めて気付いた事の重大さに自分が青褪めていくのが分かり、
ポップはその場に座り込んだ。

元の姿ですら魔力が空になったのだから。
今の姿で到底魔力が足りないのは当たり前の事。

言われるまで気付かなかった自分を情けないと思いながら、
ポップは思考を巡らせる。

あれでもないこれでもないと、
足りない魔力を補う方法を考え出したポップに、キルは愉快そうに笑い呟く。

「タスケテって言ってごらん?」

そしたら助けてアゲル。
そんな言葉にポップは眦を吊り上げた。

「絶対いわねぇ。」
「あははは、可愛くないネ。」

いくら子供の姿でも、中身は元のままなのだ。
可愛いと言われて誰が喜ぶかと叫べば、
死神は皮肉気な笑顔を称えたままポップを抱き上げる。

「いいよ?それなら別に。
困るのはボクじゃないしネ。
君の成長する時間なんてボクにはあっと言う間だしさ。
それを見てるのも面白いかもネ。」

何時も以上の皮肉なその物言いに腹を立て、
文句の一つも言おうと視線を合わせ。
ポップはうっと言葉を詰まらせた。


笑っている顔。
笑っていない目。

必要以上に紡ぐ揶揄は、
間違いなく彼の不機嫌さを表していて。

漸く彼の心情を理解し、
ポップは深い溜息を吐く。


「悪かったよ・・・・・」

そう呟けば、
やっと分かったのかと呆れた声が上がる。
笑う事を止めたその声は不機嫌そのもの。
その様子にほんの少し項垂れれば、
暫しの沈黙の後に笑い声が聞える。

「・・・・・全く、ズルイよ。」

抱き上げたままのポップの頬に唇を寄せ、
その姿だと虐めてるみたいじゃないかと悪戯気に笑う姿は何時もので。
それに安堵しながらポップもまた小さく笑い、
意趣返しの様にその頬に口付けた。

ほんの少し驚く姿にしてやったりと笑いながら。


ゴメンと謝罪の言葉を紡いで。


END





・・・・最早謝罪の言葉すら浮かびませぬ;;

お子様な上に妙に乙女仕様なポップ・・・・


既に別人じゃん!!!!!!


マトポプでも書きましたが趣味に突っ走りまくりました;
お礼のはずなのに書き手だけが楽しいものですね、コレw
もう、本当にすいません!!!(土下座)

これからもマイナーCPに走る続ける私ですが、呆れないでいて下されば幸いですw


10000Hit本当にありがとうございました!


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