「晴れるといいねぇ。」
雨だとつまらないねなどと言う割にはダイの口調は明るい。
何時もなら誰よりも先に外に行こうと騒ぎ出すのに、
珍しい事もあるものだとポップはダイを見やる。
調子が悪いとも思えないし、一体どうしたのかとマジマジと見つめれば。
それに気付いたダイが苦笑する。



「そんなに見ないでよ。そこまで驚く事?」
「お前が外に行きたがらねぇなんて、俺にとってはかなり驚く事だな。」
悪戯めいた顔でそう笑えば、ダイは深々と溜息を尽く。
「ポップってさ…」
「何だよ。」
「ほんっっっとうにニブイよね……」
「っな!!」
良く言えば純粋、悪く言えば無知のお前にだけは言われたくないとポップから怒りの声が上がるが、
ダイはそれにはかまわず淡々と言葉を続ける。
「だってさ。俺が何でいつも外に出たがるか全然分かってないんだもん。」
わかんないでしょ?と聞かれれば、ポップもぴたりと押し黙り首を捻る。
「…単に勉強が嫌いなんじゃねぇのか?」
「それもあるけど違うよ。」
否定はしないのかと思いつつも、他の理由がまったく思い付かず。
かと言って鈍いのレッテルを張られるのだけは避けたいと、
ポップは必死に他の理由を思い浮かべる。



「…わかんないかなぁ?」
結構簡単なのにね。
そう笑ってダイはポップを引き寄せる。
危うく転びそうになるポップを抱き留め、抗議の言葉を開くよりも早く
掠めるように口付けた。
「城にいたらこんな事出来ないじゃないか。」



何時でも俺はポップと二人でいたいんだよ?
でも城だとお前が怒るから。
だから、別に外じゃなくてもいいんだ。
二人っきりで居られるなら何処でもね。



それに、とやっと意味を理解して真っ赤になったポップの頬に口付け、
ダイは言葉を続ける。
「誰かにお前のそんな顔見られるのも嫌だしね。」
それは俺だけしか見れない顔なんだから。
誰かに見せるなんて勿体無いだろう?
照れた様に明後日の方を向くポップを引き寄せダイは囁く。



「大好きだよ?」
「うっせぇ…」
「世界中で一番好き。」
未だ照れたままの恋人にダイは満足気に笑うと深い口付けを落とす。




「愛してるよ。俺の魔法使い。」




END



あれ?今度はポップが鈍いんですか?(汗)
ヒュンケルを散々鈍い鈍いと言ってたポップもダイポプだと鈍くなる謎…;;
何でかなぁ〜?おかしいなぁ〜?
やっぱり文才ないせいかなぁ………かっ…悲しくないもん悲しくないもん!!(シクシク)
でもまぁ、ダイポプの基本は(恋愛には)鈍いポップと(恋愛だけは)聡いダイかなぁとw
しかしダイは何処で口説きを覚えてくるんでしょうねぇ。
それもまた謎。

何はともあれお礼小説も無事3つ完結いたしました。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
読んで頂きありがとうございました。
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